7月14日に公開された映画『君たちはどう生きるか』、もう観に行かれた方も多いのではないでしょうか?
本映画は、14~16日の全国週末興行成績で堂々の1位を獲得しました。
既に大ヒットと言えるかと思いますが、映画の内容以上に気になったのは、
この映画が事前情報のほとんどない「NO宣伝戦略」を採ったことです。
初日の段階では、ORICON NEWSで「宮崎駿監督10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』謎に包まれたまま14日より公開」
という記事が掲載されたりはしたものの、公開されたという情報のみで謎に包まれていました。
また、映画の公式サイトもありませんでした。
「NO宣伝戦略」という冒険に打って出られた背景には、
『君たちはどう生きるか』が複数企業の出資する製作委員会方式ではなく、
スタジオジブリが多くの責任を担う単独出資方式で作られたことが大きな要因だったそうです。
「知られなければ買われない」というのは当たり前のことです。
だから認知拡大のために企業は宣伝を打つ必要が出てきます。
この戦略に打って出る絶対条件として、内容に対する絶対的な自信に加えて、
「あのスラムダンク」「あのスタジオジブリ」「あの宮崎駿」といった高いブランド力が必要となりますが、
そこまで高いブランド力がない場合でも、やろうとしている宣伝手法の結果として生み出される認知が、
良質なのか悪質なのかをしっかり見極めることが必要だと言えます。
事前情報がないことによって、ネタバレやアンチによるネガティブな評価を抑制し、
「あの謎に包まれた映画をいち早く観に行った」
ことを誰かに伝えたいと思わせることで、ポジティブな口コミも広がっているように思います。
「謎に包まれたジブリの新作 鈴木敏夫Pに聞いた!」というNHKの公式サイトに掲載された記事の中で、
鈴木Pは「あまり戦略って言葉は好きじゃない」「戦略は戦争で使う言葉で、そうなると勝ち負けになってしまう。そういうことじゃないんだ」
と話されたそうです。
いかに映画そのものの魅力をダイレクトに伝えるか、
そこに真摯に向き合った結果が今回の「宣伝をしない」という選択に繋がったのではないでしょうか。
単に認知を広げれば良いわけではなく、どういった形で広まってほしいかも考える必要があると思いました。
マーケティングは面白いですね。
参考:「君たちはどう生きるか」”NO宣伝戦略”の成功理由
https://b.bme.jp/17/4794/61/978
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