誰も望んでいない方向に進む集団行動のナゾ【2023/11/07】

皆さんは集団で行動するときに「自分はこうしたいんだけどなぁ」と思いながらも、

言い出せずに周りと同じように行動したことはあるでしょうか?

また、それが実は周りのみんなも同じように考えていたのに、誰も言い出さないことによって

誰もが望んでいない行動をしてしまっていたことはないでしょうか?

これは「アビリーンのパラドックス」と呼ばれるもので、自分以外の全員が喜ぶだろうと思い、

つまらない計画に沿って行動してしまうことを指します。

この名前がついた理由として、下記の例え話があります。

ジェリー・B・ハーヴェイ(Jerry B. Harvey), “The Abilene Paradox: The Management of Agreement” より抜粋翻訳

アメリカ、テキサス州コールマンの7月の午後は特に暑く、気温は摂氏40度にも上っていました。

家族は、ファンのあるバックポーチで、冷たいレモネードを飲みながらドミノを楽しんでいました。

父:「夕ご飯でも食べに、アビリーンにドライブに行こうか?」

息子(娘の夫):「え?アビリーンに行くの?片道85キロもあるのに?この砂嵐と暑さの中で?エアコンのない1958年ビュイックで?」

娘:「いいアイデアね。私は行きたいわ。ジェリー、あなたどう?」

息子:「いいんじゃない。もしお義母さんが行きたいならね」

母:「もちろん行きたいわ。しばらく行ってないしね」

こうして家族4人で車に乗り込み、アビリーンに向かいました。

暑さは過酷でした。約4時間往復170キロドライブした後、皆疲れ果て、長い間静かにファンの前に座っていました。

息子「素晴らしい旅だったね」

誰も話しませんでした。とうとうお母さんがイライラしながらこう言いました。

母:「実はあまり楽しくなかったわ。ここにいた方がよかった。 あなた達全員が行きたいって言うから仕方なく一緒に行っただけよ。」

息子: 「あなた達全員ってどういう意味?僕をグループに入れないでよ。僕は皆が行きたいっていうから付いて行っただけじゃないか。」

娘:「ちょっと私まで犯人扱いしないでよ!あなたとパパとママが行きたかったから行ったんじゃない」

父:「おいおい待てよ。そもそも俺はアビリーンになんか行きたくなかったよ。

しばらく行ってなかったから、皆が行きたいかと思って気を遣って聞いてみただけだぞ。正直ここでアイスを食べながらドミノを続けていたかったのに。」

皆は黙って腰を下ろしました。

この家族は、実は誰も望んでいなかったのに4時間もかけてアビリーンに行ったのです。

このようなパラドックスの予防法としては、オープンな意見を促し、反対意見を歓迎する「心理的安全性」が確保された環境づくりや、

意思決定の手順を決めておくことが重要です。

その意思決定を取った場合の後々のリスクの検証も、あらかじめ手順の中にいれておくのも良いと言われています。

大きな団体になったり、はしご酒のようにいくつものお店や場所に行ったりする場合は、

互いにこのことを理解しているだけで、その日全体の流れが変わってきます。

誰も望んでいないのに、あたかもそれが集団全員の総意であるかのように行動してしまう…

不思議な現象ですが、意外と身の回りで起きているかもしれません。

もしその気配を感じたら、思い切って

「これ、アビリーンに向かってない?」

と周りに聞いてみてはいかがでしょうか。

参考:気を使いすぎて全員にストレスが溜まる「アビリーンのパラドックス」の解消法

https://b.bme.jp/17/4794/191/2376

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