今回は、「今さら聞けないウマ娘」について書こうと思います。
約3カ月で600万ダウンロードを突破した人気スマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。
競馬ファンからすれば、スペシャルウィークやトウカイテイオーが美少女化されるというとんでもないことが起きていたわけですが、2018年と2021年に放送された2回のテレビアニメも、同作を見た競馬ファンは口をそろえて評価するほどでした。
そこには『原作』、すなわち「実際の競馬で起きたドラマ」を忠実に再現した物語がありました。
競走馬が実際に喋ることはないので、競走馬同士のライバル関係はファンや関係者が作り上げるものですが、ウマ娘は自分で話し自分で走るので、競馬ファンが「このレースのときに、この競走馬たちはこんなことを考えながら走って、凌ぎを削っていたのではないだろうか」という妄想そのままに走ってくれるわけです。
そこに生まれるドラマが、ウマ娘をただのアニメで終わらせず、実際の競馬ファンまでも楽しませたり、あるいは競馬を知らないアニメファンを競馬の世界へ誘っているのです。
アニメ(1期)で描かれたのは、スペシャルウィークとエルコンドルパサーのライバル関係でしたが、実際のレース映像と合わせて見るとより一層楽しめるのではないかと思います。
ウマ娘ブームの余波は、現実にも及んでおり、ナイスネイチャなど、ウマ娘のモデルになった引退馬への寄付が倍増するなどの現象も起きています。
また、ウマ娘のゲームアプリが配信された翌月から、馬券を買う若者が急増。
レースの投票サイト「JRAIPAT」への年代別アクセス数を見ると、20代ユーザーが2021年3月ごろから急増し、60代と並ぶ水準になったそうです。
かつて「若者の競馬離れ」と言われていた状況は、ウマ娘によって一変しました。
そして若者だけでなく、もともと競馬好きだった40代まで取り込んでおり、購買力のある彼らが課金することによって、アプリの売り上げを支えています。
ここまでの状況を生み出せたのは、登場する競走馬や競馬文化に対するリスペクトがしっかりと作中に表れていたからだと思います。
競馬愛のあるスタッフが作り上げたからこそ、競馬ファンに受け入れられ、ウマ娘ファンや競馬ファンを増やす「ブーム」を巻き起こすことができたのではないでしょうか。
西人なら誰もが使ったことがあるであろう魔法の言葉「知らんけど」。
ついつい交わりたくなるような、面白そうな出来事、人の集まり。
こういったことは、無責任な会話から始まったりしています。
参考: 「ウマ娘」爆発的人気の理由? 「目の肥えた競馬ファンでもうなる」“3つのキャラクター設定の妙”
https://number.bunshun.jp/articles/-/848011
「ウマ娘」SNSでバズらせた制作陣の仕掛けと愛
https://toyokeizai.net/articles/-/477965?page=2
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